

# アーキテクチャについて
<a name="on-architecture"></a>

 オンプレミス環境では、多くの場合、テクノロジーアーキテクチャの中心チームがあり、製品や機能を担当する他のチームがベストプラクティスに従うように、まとめ役として機能します。テクノロジーアーキテクチャチームには、通常、テクニカルアーキテクト (インフラストラクチャ)、ソリューションアーキテクト (ソフトウェア)、データアーキテクト、ネットワーキングアーキテクト、セキュリティアーキテクトなどの担当者が含まれます。テクノロジーアーキテクチャチームでエンタープライズアーキテクチャ機能の一部としてよく使用されるのが、 [TOGAF](https://pubs.opengroup.org/architecture/togaf9-doc/arch/) や [Zachman フレームワーク](https://zachman-feac.com/zachman/about-the-zachman-framework) です。 

 AWS では、能力を持つチームを一元化するのではなく、各チームに能力を分散させることを好んでいます。決定権限を分散することには、複数のチームを内部標準に準拠させるといった点でリスクがあります。当社はそのようなリスクを 2 つの方法で軽減します。第 1 の方法は、各チームがその職能を持てるようにするための *プラクティス* (物事の進め方、プロセス、基準、通念) であり、チームが満たすべき基準の水準を確実に引き上げるために専門家が配置されています。次に、仕組みを *導入して、* 標準への準拠を徹底させるための自動チェックを実施します。

****  
 「善意だけでは十分ではない。仕組みづくりが重要だ」- ジェフ ベゾス。

つまり、人間の善意による努力を、ルールやプロセスへの準拠をチェックするメカニズム (多くは自動化) に置き換えるということです。この分散のアプローチは [Amazon のリーダーシッププリンシプル](https://www.amazon.jobs/en/principles?ref=wellarchitected-wp)に支えられており、すべての職務においてお客様を起点に逆算して考える文化を確立しています。お客様を起点に逆算して考える (Working backward) アプローチは、当社のイノベーションプロセスの基本的な部分です。お客様、そしてお客様の要望を起点に、当社の取り組みを定義して進めます。お客様を重視するチームは、お客様のニーズに応えて製品を開発します。

 アーキテクチャについては、すべてのチームがアーキテクチャを作成し、ベストプラクティスに従う能力があることを期待しています。新しいチームがこれらの能力を獲得するため、あるいは既存のチームがそのレベルを上げるために、チームの設計をレビューし、チームが AWS のベストプラクティスを理解するのに役立つプリンシパルエンジニアの仮想コミュニティへのアクセスを有効にしています。プリンシパルエンジニアリングコミュニティの仕事はベストプラクティスを周知させ、わかりやすくすることです。その方法の例としては、ベストプラクティスを実例に適用することについてランチタイムトークで取り上げます。その話を録音して、新しいチームメンバー向けのオンボーディング教材として使用できます。 

 AWS のベストプラクティスは、インターネット規模で数千のシステムを運用してきた当社の経験から生まれました。ベストプラクティスの定義には主にデータを活用しますが、プリンシパルエンジニアなどの専門分野に精通した人がベストプラクティスを設定することもあります。プリンシパルのエンジニアは、新しいベストプラクティスが形成されるにつれて、コミュニティとして協力しながら、チームにそれを徹底させます。やがてそれらのベストプラクティスは当社の内部評価プロセスやコンプライアンス遵守メカニズムに取り込まれて正式なものになります。Well-Architected フレームワークは当社の内部評価プロセスを顧客向けに実施しているものであり、フィールドの役割全体で、ソリューションアーキテクチャや内部エンジニアリングチームなどのプリンシパルエンジニアリングの考えが体系化されています。Well-Architected フレームワークは、学んだことを活用できるスケーラブルなメカニズムです。

 プリンシパルエンジニアリングコミュニティが取り組んでいるアーキテクチャの分散所有に従うことによって、お客様の要件に基づいて Well-Architected のエンタープライズアーキテクチャが生まれると当社は確信しています。テクノロジーリーダー (CTO や開発マネージャーなど) がお客様のワークロードのすべてに対して Well-Architected の評価を実施することで、お客様のテクノロジーポートフォリオのリスクがよくわかるようになります。このアプローチを使用して、チーム全体に関わる課題を特定し、その課題に取り組むことができます。プリンシパルエンジニアはメカニズムや、トレーニング、ランチタイムトークを活用して、特定の領域についての考えを複数のチームで共有することができます。