Lambda でのクラスターの認証方法の設定 - AWS Lambda

Lambda でのクラスターの認証方法の設定

Lambda は、Amazon MSK クラスターへのアクセス、レコードの取得、その他のタスクの実行を行うための許可を必要とします。Amazon MSK は、MSK クラスターに対する認証方法をいくつかサポートしています。

非認証アクセス

インターネット経由でクラスターにアクセスするクライアントがない場合は、非認証アクセスを使用できます。

SASL/SCRAM 認証

Lambda は、SHA-512 ハッシュ関数および Transport Layer Security (TLS) 暗号化を使用する Simple Authentication and Security Layer/Salted Challenge Response Authentication Mechanism (SASL/SCRAM) 認証をサポートしています。Lambda がクラスターに接続できるようにするには、認証情報 (ユーザー名およびパスワード) を Secrets Manager のシークレットに保存し、イベントソースマッピングの設定時にこのシークレットを参照します。

Secrets Manager の使用に関する詳細については、「Amazon Managed Streaming for Apache Kafka デベロッパーガイド」の「Secrets Manager を使用したサインイン認証」を参照してください。

注記

Amazon MSK は SASL/PLAIN 認証をサポートしていません。

相互 TLS 認証

相互 TLS (mTLS) は、クライアントとサーバー間に双方向認証を提供します。サーバーがクライアントを認証できるよう、クライアントはサーバーに証明書を送信します。また、クライアントがサーバーを認証できるよう、サーバーもクライアントに証明書を送信します。

Amazon MSK と Lambda の統合の場合、MSK クラスターはサーバーとして機能し、Lambda はクライアントとして機能します。

  • Lambda が MSK クラスターを認証するためには、Secrets Manager でクライアント証明書をシークレットとして設定し、イベントソースマッピング設定でこの証明書を参照します。クライアント証明書は、サーバーのトラストストア内の認証局 (CA) によって署名される必要があります。

  • MSK クラスターは Lambda にもサーバー証明書を送信します。サーバー証明書は、AWS トラストストア内の認証局 (CA) によって署名される必要があります。

Amazon MSK は自己署名サーバー証明書をサポートしていません。Amazon MSK のすべてのブローカーは、デフォルトで Lambda が信頼する Amazon Trust Services CA によって署名されたパブリック証明書を使用します。

CLIENT_CERTICATE_TLS_AUTH シークレットは、証明書フィールドとプライベートキーフィールドを必要とします。暗号化されたプライベートキーの場合、シークレットはプライベートキーのパスワードを必要とします。証明書とプライベートキーは、どちらも PEM 形式である必要があります。

注記

Lambda は、PBES1 (PBES2 ではありません) プライベートキー暗号化アルゴリズムをサポートします。

証明書フィールドには、クライアント証明書で始まり、その後に中間証明書が続き、ルート証明書で終わる証明書のリストが含まれている必要があります。各証明書は、以下の構造を使用した新しい行で始める必要があります。

-----BEGIN CERTIFICATE----- <certificate contents> -----END CERTIFICATE-----

Secrets Manager は最大 65,536 バイトのシークレットをサポートします。これは、長い証明書チェーンにも十分な領域です。

プライベートキーは、以下の構造を使用した PKCS #8 形式にする必要があります。

-----BEGIN PRIVATE KEY----- <private key contents> -----END PRIVATE KEY-----

暗号化されたプライベートキーには、以下の構造を使用します。

-----BEGIN ENCRYPTED PRIVATE KEY----- <private key contents> -----END ENCRYPTED PRIVATE KEY-----

以下は、暗号化されたプライベートキーを使用する mTLS 認証のシークレットの内容を示す例です。暗号化されたプライベートキーの場合は、シークレットにプライベートキーのパスワードを含めます。

{ "privateKeyPassword": "testpassword", "certificate": "-----BEGIN CERTIFICATE----- MIIE5DCCAsygAwIBAgIRAPJdwaFaNRrytHBto0j5BA0wDQYJKoZIhvcNAQELBQAw ... j0Lh4/+1HfgyE2KlmII36dg4IMzNjAFEBZiCRoPimO40s1cRqtFHXoal0QQbIlxk cmUuiAii9R0= -----END CERTIFICATE----- -----BEGIN CERTIFICATE----- MIIFgjCCA2qgAwIBAgIQdjNZd6uFf9hbNC5RdfmHrzANBgkqhkiG9w0BAQsFADBb ... rQoiowbbk5wXCheYSANQIfTZ6weQTgiCHCCbuuMKNVS95FkXm0vqVD/YpXKwA/no c8PH3PSoAaRwMMgOSA2ALJvbRz8mpg== -----END CERTIFICATE-----", "privateKey": "-----BEGIN ENCRYPTED PRIVATE KEY----- MIIFKzBVBgkqhkiG9w0BBQ0wSDAnBgkqhkiG9w0BBQwwGgQUiAFcK5hT/X7Kjmgp ... QrSekqF+kWzmB6nAfSzgO9IaoAaytLvNgGTckWeUkWn/V0Ck+LdGUXzAC4RxZnoQ zp2mwJn2NYB7AZ7+imp0azDZb+8YG2aUCiyqb6PnnA== -----END ENCRYPTED PRIVATE KEY-----" }

Amazon MSK 用の mTLS およびクライアント証明書の生成手順に関する詳細については、「Amazon Managed Streaming for Apache Kafka デベロッパーガイド」の「Amazon MSK の相互 TLS クライアント認証」を参照してください。

IAM 認証

AWS Identity and Access Management (IAM) を使用して、MSK クラスターに接続するクライアントのアイデンティを認証することができます。IAM 認証を使用すると、Lambda は関数の実行ロールのアクセス許可に依存してクラスターへの接続、レコードの取得、その他の必要なアクションを実行します。必要なアクセス許可を含むサンプルポリシーについては、「Amazon Managed Streaming for Apache Kafka デベロッパーガイド」の「IAM ロールの認可ポリシーを作成する」を参照してください。

MSK クラスターで IAM 認証がアクティブで、シークレットを指定しない場合、Lambda はデフォルトで自動的に IAM 認証を使用します。

Amazon MSK での IAM 認証の詳細については、「IAM アクセスコントロール」を参照してください。

Lambda でのブートストラップブローカーの選択方法

Lambda は、クラスターで使用可能な認証方法、および認証用のシークレットが提供されているかどうかに基づき、ブートストラップブローカーを選択します。mTLS または SASL/SCRAM のシークレットを指定すると、Lambda は自動的にその認証方法を選択します。シークレットを指定しない場合、Lambda は、クラスターでアクティブ化されている中で、最も強力な認証方法を選択します。以下は、Lambda によるブローカー選択の優先度を、最も強力な認証から弱い認証の順に示したものです。

  • mTLS (mTLS 用のシークレットを提供)

  • SASL/SCRAM (SASL/SCRAM 用のシークレットを提供)

  • SASL IAM (シークレットが提供されておらず、IAM 認証がアクティブ)

  • 非認証の TLS (シークレットが提供されておらず、IAM 認証も非アクティブ)

  • プレーンテキスト (シークレットが提供されておらず、IAM 認証と非認証 TLS の両方が非アクティブ)

注記

Lambda から最も安全なブローカータイプへの接続ができない場合でも、Lambda は別の (安全性の低い) ブローカータイプへの接続を試行しません。安全性の低いブローカータイプを Lambda に選択させたい場合は、クラスターが使用している、より強力な認証方法をすべて無効にします。