Lambda でのクラスターの認証方法の設定
Lambda は、セルフマネージド型 Apache Kafka クラスターで認証するための方法をいくつかサポートしています。これらのサポートされる認証方法のいずれかを使用するように、Kafka クラスターを設定しておいてください。Kafka セキュリティの詳細については、Kafka ドキュメントの「セキュリティ
SASL/SCRAM 認証
Lambda は、Transport Layer Security (TLS) 暗号化 (SASL_SSL) を使用した Simple Authentication and Security Layer/Salted Challenge Response Authentication Mechanism (SASL/SCRAM) 認証をサポートしています。Lambda は、暗号化された認証情報を送信してクラスターで認証します。Lambda は plaintext の SASL/PLAIN (SASL_PLAINTEXT) をサポートしません。SASL/SCRAM 認証の詳細については、「RFC 5802
Lambda は SASL/PLAIN 認証もサポートします。このメカニズムはクリアテキスト認証情報を使用するので、この認証情報が保護されることを確実にするためにも、サーバーへの接続には TLS 暗号化を使用する必要があります。
SASL 認証の場合は、サインイン認証情報をシークレットとして AWS Secrets Manager に保存します。Secrets Manager の使用の詳細については、「AWS Secrets Manager ユーザーガイド」の「AWS Secrets Manager シークレットの作成」を参照してください。
重要
認証に Secrets Manager を使用するには、シークレットを Lambda 関数と同じ AWS リージョンに保存する必要があります。
相互 TLS 認証
相互 TLS (mTLS) は、クライアントとサーバー間の双方向認証を提供します。クライアントは、サーバーによるクライアントの検証のためにサーバーに証明書を送信し、サーバーは、クライアントによるサーバーの検証のためにクライアントに証明書を送信します。
セルフマネージド Apache Kafka では、Lambda がクライアントとして機能します。Kafka ブローカーで Lambda を認証するように、クライアント証明書を (Secrets Manager のシークレットとして) 設定します。クライアント証明書は、サーバーのトラストストア内の CA によって署名される必要があります。
Kafka クラスターは、Lambda で Kafka ブローカーを認証するために Lambda にサーバー証明書を送信します。サーバー証明書は、パブリック CA 証明書またはプライベート CA/自己署名証明書にすることができます。パブリック CA 証明書は、Lambda トラストストア内の認証局 (CA) によって署名される必要があります。プライベート CA/自己署名証明書の場合は、サーバルート CA 証明書を (Secrets Manager のシークレットとして) 設定します。Lambda はルート証明書を使用して Kafka ブローカーを検証します。
mTLS の詳細については、「Introducing mutual TLS authentication for Amazon MSK as an event source
クライアント証明書シークレットの設定
CLIENT_CERTICATE_TLS_AUTH シークレットは、証明書フィールドとプライベートキーフィールドを必要とします。暗号化されたプライベートキーの場合、シークレットはプライベートキーのパスワードを必要とします。証明書とプライベートキーは、どちらも PEM 形式である必要があります。
注記
Lambda は、PBES1
証明書フィールドには、クライアント証明書で始まり、その後に中間証明書が続き、ルート証明書で終わる証明書のリストが含まれている必要があります。各証明書は、以下の構造を使用した新しい行で始める必要があります。
-----BEGIN CERTIFICATE----- <certificate contents> -----END CERTIFICATE-----
Secrets Manager は最大 65,536 バイトのシークレットをサポートします。これは、長い証明書チェーンにも十分な領域です。
プライベートキーは、以下の構造を使用した PKCS #8
-----BEGIN PRIVATE KEY----- <private key contents> -----END PRIVATE KEY-----
暗号化されたプライベートキーには、以下の構造を使用します。
-----BEGIN ENCRYPTED PRIVATE KEY----- <private key contents> -----END ENCRYPTED PRIVATE KEY-----
以下は、暗号化されたプライベートキーを使用する mTLS 認証のシークレットの内容を示す例です。暗号化されたプライベートキーの場合は、シークレットにプライベートキーのパスワードを含めます。
{"privateKeyPassword":"testpassword",
"certificate":"-----BEGIN CERTIFICATE-----
MIIE5DCCAsygAwIBAgIRAPJdwaFaNRrytHBto0j5BA0wDQYJKoZIhvcNAQELBQAw
...
j0Lh4/+1HfgyE2KlmII36dg4IMzNjAFEBZiCRoPimO40s1cRqtFHXoal0QQbIlxk
cmUuiAii9R0=
-----END CERTIFICATE-----
-----BEGIN CERTIFICATE-----
MIIFgjCCA2qgAwIBAgIQdjNZd6uFf9hbNC5RdfmHrzANBgkqhkiG9w0BAQsFADBb
...
rQoiowbbk5wXCheYSANQIfTZ6weQTgiCHCCbuuMKNVS95FkXm0vqVD/YpXKwA/no
c8PH3PSoAaRwMMgOSA2ALJvbRz8mpg==
-----END CERTIFICATE-----",
"privateKey":"-----BEGIN ENCRYPTED PRIVATE KEY-----
MIIFKzBVBgkqhkiG9w0BBQ0wSDAnBgkqhkiG9w0BBQwwGgQUiAFcK5hT/X7Kjmgp
...
QrSekqF+kWzmB6nAfSzgO9IaoAaytLvNgGTckWeUkWn/V0Ck+LdGUXzAC4RxZnoQ
zp2mwJn2NYB7AZ7+imp0azDZb+8YG2aUCiyqb6PnnA==
-----END ENCRYPTED PRIVATE KEY-----"
}
サーバルート CA 証明書シークレットの設定
このシークレットは、Kafka ブローカーがプライベート CA によって署名された証明書で TLS 暗号化を使用する場合に作成します。TLS 暗号化は、VPC、SASL/SCRAM、SASL/PLAIN、または mTLS 認証に使用できます。
サーバールート CA 証明書シークレットには、PEM 形式の Kafka ブローカーのルート CA 証明書が含まれるフィールドが必要です。以下は、このシークレットの構造を示す例です。
{"certificate":"-----BEGIN CERTIFICATE-----
MIID7zCCAtegAwIBAgIBADANBgkqhkiG9w0BAQsFADCBmDELMAkGA1UEBhMCVVMx
EDAOBgNVBAgTB0FyaXpvbmExEzARBgNVBAcTClNjb3R0c2RhbGUxJTAjBgNVBAoT
HFN0YXJmaWVsZCBUZWNobm9sb2dpZXMsIEluYy4xOzA5BgNVBAMTMlN0YXJmaWVs
ZCBTZXJ2aWNlcyBSb290IENlcnRpZmljYXRlIEF1dG...
-----END CERTIFICATE-----"
}