SQL Server から MySQL への変換
変換した MySQL コードで Microsoft SQL Server データベース関数をエミュレートするには、AWS SCT で SQL Server から MySQL への拡張パックを使用します。拡張パックの詳細については、「AWS Schema Conversion Tool 拡張パックの使用」を参照してください。
MySQL をターゲットデータベースとする場合の権限
ターゲットとして MySQL に必要な権限を以下に示します。
CREATE ON *.*
ALTER ON *.*
DROP ON *.*
INDEX ON *.*
REFERENCES ON *.*
SELECT ON *.*
CREATE VIEW ON *.*
SHOW VIEW ON *.*
TRIGGER ON *.*
CREATE ROUTINE ON *.*
ALTER ROUTINE ON *.*
EXECUTE ON *.*
INSERT, UPDATE ON AWS_SQLSERVER_EXT.*
INSERT, UPDATE, DELETE ON AWS_SQLSERVER_EXT_DATA.*
CREATE TEMPORARY TABLES ON AWS_SQLSERVER_EXT_DATA.*
次のコード例を使用してデータベースユーザーを作成し、権限を付与できます。
CREATE USER 'user_name' IDENTIFIED BY 'your_password'; GRANT CREATE ON *.* TO 'user_name'; GRANT ALTER ON *.* TO 'user_name'; GRANT DROP ON *.* TO 'user_name'; GRANT INDEX ON *.* TO 'user_name'; GRANT REFERENCES ON *.* TO 'user_name'; GRANT SELECT ON *.* TO 'user_name'; GRANT CREATE VIEW ON *.* TO 'user_name'; GRANT SHOW VIEW ON *.* TO 'user_name'; GRANT TRIGGER ON *.* TO 'user_name'; GRANT CREATE ROUTINE ON *.* TO 'user_name'; GRANT ALTER ROUTINE ON *.* TO 'user_name'; GRANT EXECUTE ON *.* TO 'user_name'; GRANT INSERT, UPDATE ON AWS_SQLSERVER_EXT.* TO 'user_name'; GRANT INSERT, UPDATE, DELETE ON AWS_SQLSERVER_EXT_DATA.* TO 'user_name'; GRANT CREATE TEMPORARY TABLES ON AWS_SQLSERVER_EXT_DATA.* TO 'user_name';
前述の例では、[user_name] をお客様の設定のユーザー名に置き換えます。次に、your_password を安全なパスワードに置き換えます。
バージョン 5.7 以前の MySQL データベースをターゲットとして使用する場合は、次のコマンドを実行します。MySQL データベースバージョン 8.0 以降では、このコマンドは廃止されました。
GRANT SELECT ON mysql.proc TO 'user_name';
Amazon RDS for MySQL または Aurora MySQL をターゲットとして使用するには、lower_case_table_names パラメータを 1 に設定します。この値は、MySQL サーバーがテーブル、インデックス、トリガー、データベースなどのオブジェクト名の識別子を、大文字と小文字を区別せずに処理することを意味します。ターゲットインスタンスでバイナリログを有効にしている場合は、log_bin_trust_function_creators パラメータを 1 と設定します。この場合、ストアド関数を作成するのに、DETERMINISTIC 特性、READS SQL DATA 特性、NO SQL 特性を使用する必要はありません。これらのパラメータを設定するには、新しい DB パラメータグループを作成するか、既存の DB パラメータグループを変更します。
SQL Server から MySQL への変換設定
AWS SCT で SQL Server から MySQL への変換設定を編集するには、[設定] を選択し、[変換設定] を選択します。上のリストから [SQL Server] を選択し、[SQL Server — MySQL] を選択します。AWS SCT に、SQL Server から MySQL への変換に使用可能なすべての設定が表示されます。
AWS SCT での SQL Server から MySQL への変換設定には、以下のオプションが含まれています。
-
変換されたコード内のアクション項目に関するコメントの数を制限する。
[変換後のコードにコメントを追加] で、選択した重要度以上のアクションアイテムについて、アクションアイテムの重要度を選択します。AWS SCT は、選択した重要度以上のアクションアイテムについて、変換後のコードにコメントを追加します。
たとえば、変換したコード内のコメントの数を最小限に抑えるには、[エラーのみ] を選択します。変換したコードのすべてのアクション項目にコメントを含めるには、[すべてのメッセージ] を選択します。
-
ソース SQL Server データベースが
EXECの出力をテーブルに保存できるようにします。AWS SCT は、一時テーブルと、この機能をエミュレートする追加のプロシージャを作成します。このエミュレーションを使用するには、[オープンデータセットを処理するための追加ルーチンを作成する] を選択します。
移行に関する考慮事項
SQL Server スキーマを MySQL に移行する際は以下の点を考慮してください。
MySQL は
MERGEステートメントをサポートしていません。ただし、AWS SCT は、INSERT ON DUPLICATE KEY句とUPDATE FROM and DELETE FROMステートメントを使用して、変換中にMERGEステートメントをエミュレートできます。INSERT ON DUPLICATE KEYを使用して正しくエミュレーションするために、一意の制約またはプライマリキーがターゲット MySQL データベースで存在することを確認してください。GOTOステートメントとラベルを使用して、ステートメントを実行する順序を変更できます。GOTOステートメントに続くすべての Transact-SQL ステートメントはスキップされ、ラベルで処理が継続されます。GOTOステートメントとラベルは、プロシージャ、バッチ、またはステートメント ブロック内のどこでも使用できます。GOTOステートメントをネストすることもできます。MySQL は
GOTOステートメントを使用しません。AWS SCT がGOTOステートメントが含まれるコードを変換する場合、ステートメントはBEGIN…ENDまたはLOOP…END LOOPステートメントを使用するように変換されます。次の表は、AWS SCT がGOTOステートメントを変換する方法の一例です。SQL Server ステートメント MySQL ステートメント BEGIN .... statement1; .... GOTO label1; statement2; .... label1: Statement3; .... ENDBEGIN label1: BEGIN .... statement1; .... LEAVE label1; statement2; .... END; Statement3; .... ENDBEGIN .... statement1; .... label1: statement2; .... GOTO label1; statement3; .... statement4; .... ENDBEGIN .... statement1; .... label1: LOOP statement2; .... ITERATE label1; LEAVE label1; END LOOP; statement3; .... statement4; .... ENDBEGIN .... statement1; .... label1: statement2; .... statement3; .... statement4; .... ENDBEGIN .... statement1; .... label1: BEGIN statement2; .... statement3; .... statement4; .... END; ENDMySQL は複数ステートメントのテーブル値関数をサポートしていません。AWS SCT では、一時テーブルを作成し、これらの一時テーブルを使用するようにステートメントを書き換えることで、変換中にテーブル値関数をシミュレートします。